2017/02/10
80歳からでも大丈夫!骨粗鬆症治療薬フォルテオの自己注射方法
81歳の母が「背中が痛い、背中が痛い。」と言っており整形外科を受診したところ、骨粗鬆症による胸椎圧迫骨折ということがわかりました。とくに転んだとかぶつけたとか、強い衝撃をうけたということはありませんが、骨粗鬆症の診断は受けており通院していました。
診察後、骨粗鬆症の治療薬「フォルテオ」の自己注射をすることになりました。
骨粗鬆症治療薬
骨粗鬆症治療薬の種類
骨粗鬆症の治療薬には、ビタミンD製剤からホルモン製剤などいくつか種類があります。今回は内服薬ではなく、皮下注射をすることになりました。
分類 | 商品名 | 作用 |
活性型ビタミンD製剤 | アルファロール | 腸管からのカルシウム吸収を助ける |
女性ホルモン製剤 | エビスタ | 骨からのカルシウムの流出を抑える |
ビスホスホネート製剤 | ボナロン・ボノテオ | 破骨細胞の活動を抑える |
ビタミンK製剤 | グラケー | 骨形成を促進する |
副甲状腺ホルモン剤 | フォルテオ | 骨の形成を促進する |
フォルテオ皮下注射
フォルテオは、椎体骨折の可能性が高い骨粗鬆症の方に使われます。1日1回自宅で皮下注射を行います。
自分でできない方は家族が行うことになりますが、母の場合は「自分でやってみる。」ということでした。
病院で説明を受け、「練習用の皮膚のモデルに注射の練習をしてきた」とのことですが、針も使うのではじめは少しこわいようですね。それでも自分のことなので一つ一つゆっくり実施していきました。
現在では薬品メーカーでも至れり尽くせりの準備をしてくれていますので、抵抗感は少ないようです。
フォルテオ注射に必要な物品
すべてを入れるバッグ
まずは見た目が大事です。もろもろの物品を入れるバッグ。「新しいバッグを買ったのかな。」と思えるくらいおしゃれです。
「Bone Voyage!」っていうのもしゃれています。
保冷用ポーチ
フォルテオは要冷蔵なので、病院で新しく注射をもらうときにはこのポーチの中に保冷剤を入れ、ポーチの中に新しい注射を入れてもらって、自宅に持ち帰ります。
この箱の中に必要な物品が入っています。
Q&A冊子
説明用DVD
実施のチェックや注射部位を記載する手帳 パスポート
わかりやすくまとめられたクイックガイド
注射針と消毒綿
これらは注射の付属品ではないので別購入になります。
注射の手順
冷蔵庫から注射器(薬液が入っています)を取り出す
フォルテオ注射は冷蔵保存のため、冷蔵庫に保管します。
冷蔵庫から注射を取り出します。
注射器の先端を消毒し針をつける
注射針はついていないので、針をつける先端部分を消毒して針をつけます。
針のキャップをはずす
針の先のキャップをはずします。
外側のキャップをはずすと中に細いキャップがついているのでそれも外します。
すると、このような細い針があらわれます。
注射器の準備
後ろ側についている黒い部分を引っ張ります。すると黄色い部分が出てくるので、赤い線が出てくるまで引っ張ります。
皮膚の消毒
皮膚を消毒します。
注射の実施
皮膚をつまんでまっすぐ刺して薬液を注入します。
薬液注入後5秒待つ
黄色い部分が隠れるまで注入します。注入し終えたら5秒数えて抜きます。
針にキャップをつけはずす
終了後、はじめにはずした字針のキャップを再び装着し、針を注射器からはずします。
使用済み針を専用入れ物に入れる
使用した針は決められた入れ物に入れ、次に病院に受診するときに入れ物のまま病院に持っていきます。(医療廃棄物として扱われます)
フォルテオパスポートに記入
実施後はフォルテオパスポートにチェックと実施部位を記入します。
母はずいぶん慣れてきて「あなたにも注射してあげられるよ。」と得意げに言っていました。
フォルテオの料金
レントゲンの料金も含まれていますが、母の場合は28日分で6280円です。(1割負担)毎月これだけの料金がかかります。整形外科に勤める友人の話では、「人によっては料金が払えなかったり、手技がうまくいかなかったり、面倒になって注射を続けられない人もいるので、80歳を過ぎて自己注射できるのはエリートかも。」ということだったので、母にそう伝えたら喜んでいました。
まとめ
- 高齢になると日常生活をふつうに送っているだけで、圧迫骨折を起こすことがあります。
- 状況によっては病院で予告なしに「明日から注射ね。自分でやってみてね。」と言われることもあります。
- フォルテオの皮下注射は、注意事項が詳細に書かれた説明書などもあるので親切なのですが、高齢者にとっては慣れるまでには少し時間がかかります。
- 慣れたらあとは継続するだけ。高齢者の骨折は筋力低下につながり寝たきりになることもあるので、注射をすることになったら、頑張って続けてみましょう。